
スノーボード専用グローブは、雪山での快適性、安全性、そしてパフォーマンスを維持するために欠かせない必須アイテムです。初心者の方から、持っていいないから、面倒だから、今日は暖かいからなどグローブ無しで滑りに行こうとする声も聞かれますがスキーやスノボをする際にグローブは必須アイテムです。その理由や役割、選び方やおすすめをご案内します。
INDEX

グローブを着用する理由
グローブを着用する理由は、何度も滑っている方にとっては色々な経験から分かるはずですが、経験値が少ないとあまりピンと来ないかもしれません。グローブを着用する理由は大きく3点に集約されますのでぜひ知っておいてください。
1. 凍傷の予防と防寒(寒さ対策)
スノーボードを行うゲレンデの気温は氷点下になることが多く、指先などの末端は特に冷えやすく、血行不良になりがちです。素手や通常の薄手の手袋では、低温下で血管が収縮し、最悪の場合、凍傷につながる危険性があります。
また、手が冷え切ってかじかんでしまうと、ビンディングのストラップの調整やゴーグルの着脱など、細かい作業ができなくなり、滑走中の安全確保やストレスのない行動が困難になります。
2. 怪我の予防と手の保護
スノーボードは転倒がつきものであり、手を雪面につくことが頻繁にあります。
スノーボード用のグローブは厚みと耐久性のある素材で作られており、転倒時に雪面で手を擦ったり、硬い雪や氷にぶつかったりすることによる怪我(擦り傷、裂傷など)を防ぐ衝撃からの保護の役割を果たします。
また、ビンディングの着脱時などに、エッジや金具で手を切ってしまうような用具による損傷リスクを低減します。筆者もエッジでグローブがスパッと切れて、これが素手だったらと想像すると冷や汗ものだった経験があります。
3. 防水・透湿による快適性の維持
雪に触れる機会が多いため、「濡れ」は冷えに直結します。特に初心者は転倒が多く、グローブが雪に埋もれることが頻繁にあります。
そこで、専用グローブは防水フィルム(GORE-TEXなど)や撥水加工されたシェル(表地)により、雪や水の侵入を徹底的に防ぎます。
また、防寒性が高いだけでなく、内部の汗による水蒸気は外部へ逃がす透湿性も備え蒸れを防いでくれます。グローブ内が汗で濡れると、それが冷えて体温を奪いますが、透湿性により手をドライで快適な状態に保ち、冷えを予防します。
これらの理由から、スノーボードを楽しむ上でグローブは単なる防寒具ではなく、安全と快適性を担保する命綱に近い役割を持っています。

失敗しないグローブの選び方
スノーボードグローブ選びで失敗しないためには、「形状」「素材と機能性」「サイズ感」の3つの要素をバランスよく確認することが重要です。 特に初心者は転倒で雪に触れる機会が多いため、防水性と保温性を重視しましょう。
1. 形状(操作性/保温性)
グローブの形状は、手の動かしやすさと暖かさに大きく影響します。滑走時以外にも寒い中で、リフト券やスマホの操作、ビンディングのストラップ調整などグローブを着けたまま行う作業も多く様々なシーンでの利便性も考慮した選び方がおすすめです。
5本指タイプ
5本指タイプ(ファイブフィンガー)は、日常で使う手袋と基本的に同じ形状で、5本の指がそれぞれ独立しているグローブです。5本指タイプは、スノーボードグローブの中でも最も歴史が長く、特に操作性と利便性を重視するスキーヤーやスノーボーダーに選ばれています。
操作性と自由度
最大のメリットは、指の自由度が最も高いことです。指一本一本を動かせるため、グローブを装着したままでも以下のような作業をスムーズに行えます。
・ビンディングのストラップの調整やバックルの開閉
・ウェアのジッパーやポケットの開閉
・リフト券やスマートフォンの操作(スマホ対応モデルの場合)
これらの細かい作業で手間取ることが少ないため、特にスノーボード初心者や、グローブを外して手が冷えるのを避けたい人にとって非常に便利です。
フィット感の高さ
指の動きに沿ってデザインされているため、しっかりとボードを握ったり、体勢をコントロールしたりする際のグリップ感や一体感に優れています。
デメリットと対策
5本指タイプのデメリットは、ミトンタイプに比べると保温性が劣る点です。指が分かれているため、熱が分散しやすく、極寒の環境では指先が冷えやすい傾向があります。寒さが厳しい日は、5本指グローブの中にインナーグローブを着用する、または保温材(中綿)の性能が高いモデルやGORE-TEX(ゴアテックス)などの高機能素材を採用したモデルを選ぶことで、このデメリットをカバーできます。
ミトンタイプ
親指以外の4本の指を一つの大きな袋にまとめて収納する形状のグローブです。ミトンタイプがスノーボーダー、特に寒がりの人や女性に人気がある理由は、その保温性の高さにあります。
高い保温力
ミトン最大の強みは防寒性です。指がそれぞれ独立していないため、外気に触れる表面積が小さく、また、指同士が触れ合って熱を共有し、グローブ内部に暖かい空気の層を維持しやすい構造になっています。これにより、極寒の環境や寒がりの方でも指先が冷えにくいという大きなメリットがあります。
高い防水・防風性
縫い目や区切りが少ないシンプルな構造のため、雪や冷たい風がグローブ内部に侵入しにくく、防水性・防風性にも優れています。転倒して雪に手をつくことが多い初心者でも、手が濡れるリスクを抑えられます。
デメリットと解決策
ミトンのデメリットは、細かい作業がしにくいことです。ビンディングのストラップ調整や、ポケットのジッパー操作など、指先を使う動作には向いていません。しかし、最近のモデルではこのデメリットを解消するために工夫が凝らされています。
ミトンの見た目でありながら、内側は5本指に分かれている構造(フィンガーパーティション)になっているモデルが多く、保温性を保ちつつフィット感と操作性を向上させています。また、シンプルで丸みのあるデザインはファッション性も高く、近年特に人気を集めている形状です。
寒さ対策を最優先したいスノーボーダーにとって、ミトンタイプはおすすめの選択肢となるかもしれません。
3本指タイプ (ロブスター)
3本指タイプは、最も一般的な5本指タイプとミトンタイプのメリットを掛け合わせた、ハイブリッドな形状のグローブです。カニやロブスターのハサミのような見た目から、「ロブスタータイプ」とも呼ばれます。構造は親指と人差し指が独立、中指・薬指・小指が一つの袋にまとめて収納されるようになっています。この構造により、手を握りこむ動作や、人差し指を使った細かい操作が可能になっています。
3本指タイプが選ばれる最大の理由は、操作性(器用さ)と保温性(暖かさ)のバランスの良さです。
保温性
3本の指がまとまることで、ミトンタイプと同様に指同士が触れ合い、中に暖かい空気の層が作られます。これにより、5本指タイプよりも格段に暖かく感じられます。手が冷えやすいけれど、ミトンでは作業が不安だという方に最適です。
デメリットと選び方
デメリットとしては、5本指タイプほどの繊細な操作は難しく、また、市場に出回っているモデルの数が5本指やミトンに比べて少ない点が挙げられます。
操作のしやすさ(5本指)と保温性の高さ(ミトン)のどちらも諦めたくない方は、この3本指タイプを選ぶことで、雪山での快適性が大きく向上するでしょう
初心者の方は、まずは操作性の高い5本指タイプが無難です。ただし、手が冷えやすい方は、保温性の高いミトンタイプも検討してください。
2. 素材と機能性(防水性・透湿性)
グローブの快適さを左右するのは、外からの水の侵入を防ぎ、内側の汗を逃がす機能です。
防水性 (耐水圧)
雪が染み込むのを防ぐ力。転倒の多い初心者は、耐水圧10,000mm以上を目安に選びましょう。
透湿性
グローブ内部の汗(水蒸気)を外へ逃がし、蒸れによる冷えを防ぐ機能。
GORE-TEX (ゴアテックス)
防水耐久性・透湿性・防風性に非常に優れる。濡れず、蒸れない最高の素材。
合成素材
ナイロンやポリエステルなど。軽量で耐水性がある。価格も比較的安価。
レザー(本革)
耐久性が高く、使うほど手に馴染む。保温性も高いが、防水性維持にメンテナンスが必要。
保温対策
インナーが内蔵されているか、または取り外し可能なインナーグローブかを確認。取り外しできるタイプは、気温に応じてインナーを使い分けたり、インナーだけ洗濯したりできるので便利です。
3. サイズ感とその他の便利機能
サイズ選びの注意点
フィット感: 指先が余りすぎたり、逆に窮屈すぎたりしないか試着して確認しましょう。指先に少し(1cm弱)のゆとりがあると、血流が圧迫されず、保温効果が維持されます。
グローブに付いていると便利な機能・アイテム
リストリーシュ (流れ止め)
グローブを外したときに手首にぶら下げておけるひもです。リフトの上でグローブを落とすのを防いだり、滑走途中でスマホ操作のためにグローブを脱いだ際の紛失防止などに便利。
スマホ対応型
グローブを装着したまま、スマートフォンの操作ができる素材が指先に使われていると便利です。
ゴーグル用ワイパー
ゴーグル用ワイパーは、グローブの親指あたりに付いたゴムの部分で車のワーパーのような形状になった小さなパーツです。滑走中に雪や水滴が付いたゴーグルをサッと拭うとワイパーを動かしたように拭き取ってくれるので非常に便利。

初心者におすすめのコスパブランド&モデル
初めてのグローブで高価なものは避けたい、でも機能性は欲しいという方に人気ブランドやおすすめモデルの傾向をご紹介します。
namelessage (ネームレスエイジ)
GORE-TEX採用モデルを比較的安価に展開。防水性とコスパを両立したい人に人気です。
参考価格7,000円〜12,000円
PONTAPES (ポンタぺス) / NNOUM (ノアム)
GORE-TEX採用モデルを比較的安価に展開。防水性とコスパを両立したい人に人気です。
参考価格7,000円〜12,000円
DAKINE (ダカイン) / VOLCOM (ボルコム)
デザイン性が高く、機能性も優れているブランド。セールなどでGORE-TEXモデルが見つかることも。
参考価格8,000円〜15,000円
eb’s (エビス)
日本ブランドならではの、インナーグローブやプロテクターなどアクセサリーが充実。保温レベルを上げたい場合はインナーを追加購入するのもおすすめ。
参考価格5,000円〜10,000円
実際に試着してサイズが手に合っているか(指先に少しゆとりがある程度)を確認することが最も大切です。ぜひ、ご自身のスタイルと予算に合う一品を見つけてみてください。
初心者におすすめ!防水性と耐久性を重視したモデル10選
初心者は転倒が多く、グローブが濡れやすいので、特に防水性と耐久性を重視した人気のモデルをご紹介。スポーツ系店舗やアウトドア系店舗、楽天市場やAmazonなどのWEB系ショップで特徴の詳細や具体的な値段を確認すことができるので、まずは参考にしてください。
1.BURTON(バートン) GORE-TEX モデル
高額ですが、防水性・耐久性は最高レベル。初心者のうちから長く使いたい人に最も人気です。
5本指タイプ/ミトンタイプ 参考価格帯:1万円〜
2.namelessage(ネームレスエイジ)
コスパ最強のアイテム。GORE-TEXなどの高機能素材を低価格で提供、機能性と価格のバランスが良い点で人気。
5本指タイプ/ミトンタイプ 参考価格帯:7千円〜
3.eb’s(エビス) KEMONO CHAN MITT
コスパ最強のアイテム。GORE-高い保温性と目を引くデザインが人気。保温性が高いミトンタイプで手が冷えにくい。
ミトンタイプ 参考価格帯:9千円〜
4.DAKINE(ダカイン) GORE-TEX モデル
コスパ最強のアイテム。GORE-デザインと機能性のバランスが良く、価格もBURTONより抑えめで、幅広い層に人気。
5本指タイプ/ミトンタイプ 参考価格帯:8千円〜
5.BURTON プロファイル グローブ/ミトン
GORE-TEXではないが、高い防水性と保温性を持ち、ブランドのエントリーモデルとして人気。
5本指タイプ/ミトンタイプ 参考価格帯:6千円〜
6.PONTAPES / NNOUM
安い価格帯で、とりあえず専用グローブが欲しい、という初心者におすすめ。耐水圧も高水準ではないもののクリア。
5本指タイプ/ミトンタイプ 参考価格帯:3千円〜
7.eb’s GORE-TEX GAME CHANGER
eb’sの高機能ライン。高い防水透湿性を持ちながらも、日本ブランド特有の使いやすさを感じられます。
5本指タイプ 参考価格帯:1万円〜
8.VOLCOM(ボルコム) GORE-TEX モデル
ストリート色の強いデザインが人気。機能性もトップレベルで、ファッション性を重視する初心者に人気。
5本指タイプ/ミトンタイプ 参考価格帯:1万円〜
9.HESTRA(ヘストラ)
耐久性・保温性・フィット感は最高峰。レンタルからの卒業組が次に選ぶ本革グローブとして人気。
5本指タイプ/3本指タイプ 参考価格帯:2万円〜
10.ROXY / QUIKSILVER ROXY(女性向け)/QUIKSILVER(男性向け)
デザインが豊富でセットアップしやすい。取扱店や商品数も多く手頃で無難に揃えられる。
5本指タイプ/ミトンタイプ 中低 (6千円〜)